2011年08月05日

『隷属への道』を読む 第2回

この「『xx』を読む」というタイトル、
松岡正剛氏の『情報の歴史を読む』というタイトルから借用しています。
こちらも良書。また時間があれば読み返したいところです。

あと、このシリーズではしつこいくらい「社会主義」という用語が出てきますが、
これを字面の持ってるイメージで捉えるとよろしくないかと思います。

本では使い分けられているので、違うものを指していますが、
「社会主義」を「集産主義」と読み替えた方が、
滅んだと思われている形式的な「社会主義」にふりまわされることがなくていいかもしれません。

というわけで、今回も早速、引用から入ります。
今回は10ページにわたる序論の中から。

まさしく、ほとんどすべての人が望んでいるからこそ、われわれは社会主義への道を進んでいるのである。その歩みを不可避なものとするような明白な現実があるのでは決してない。
(中略)
もし、固い信念をもってこの歩みに抗いがたい勢いを与えている人々が、今わずかの人々のみが理解していることを本当に知り始めた時、彼らが恐怖のあまり後ずさりし、半世紀にわたって多くの善意の人々が追求しようとしてきたことを放棄するということが、ありえないと誰が言えよう。

問題は、今を生きる人々が広く信じていることがどのような結果をもたらすかということである以上、それは決して何らかの党派の問題ではなく、われわれすべてにとっての問題なのであり、最も重大な意義を有するものなのだ。

われわれすべてが、高い理想に向かって未来を意図的に形作っていこうと努力しているのに、その努力が図らずも求めようとしたこととまったく逆のことを生みだすことになるとしたら、それは何にもまして、大きな悲劇ではないだろうか。


あいかわらずわかりにくいので、ちょっと読みくだしてみます。

まず(中略)のところまでは、「社会主義化は誰が強制したものでもなくわれわれが望んでいるからこそ起きる」ってところですね。

そして(中略)の後に3つの文がありますが、

1つ目は「善意でもって社会主義を選択し推進している人が、もし社会主義のもたらす結果について知ったら、社会主義を放棄しようと思うかもしれないよね?」

2つ目は「社会主義とか自分とは関係ないって思うかもしれないけれど、もし社会主義者が多数派になったらあなたも無関係じゃないし、これは大事な問題だよ」

3つ目は「なにより社会主義を理想としてがんばった結果、理想と正反対の状態が展開されたらさすがにきついよね」

という感じでしょうか。

で、このパラグラフがなぜひっかかったかというとですね。。。

上の読みくだしの「社会主義」を「自然エネルギー推進」「高福祉国家」とか、
なんでもいいので流行りの用語に入れ替えてみるとあら不思議、なんですよ。

もちろん、うまくいかない用語もあると思うのですが、
だいたいそれなりに読める文になりますし、それなりに警告を発してくれる文になります。

さて。

で、そういう遊びをひととおり行った後に、20世紀の歴史を思い返して、
「ソビエト連邦がどのような理想を掲げて、その結果どうなったか」
「第三帝国がどのようにして成立し、どのような末路をたどったか」
を考えてみれば、上の警告がなるほどと思えるかもしれません。

もし納得できないということであれば、さらに進みましょう。

むしろ、この警告が「なにそれおいしいの」と思う人ほど、
この本の恩恵にあずかれる可能性が高いのですから。

(第3回につづく)
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