2012年11月14日

公開シンポジウム「今、日本の宇宙戦略を考える(京都会場)」に行ってきたよ!

Twitterで見かけたので、申し込んで京都まで行ってきました。

詳細はこちらのTogetterを見てもらった方がいいかもしれません。

  Togetterまとめ
  『ホロさんとクズさんの公開シンポジウム「今、日本の宇宙戦略を考える」京都会場』
  http://togetter.com/li/406909

流れとしては、内閣府宇宙戦略室や大学の偉い先生が30分ぐらいずつお話をした後、
2時間ちょっとの総合討論というのを行う、というスタイルです。

ちょっとパネリストのとりまとめがグダグダだったりしたのはアレですが、
いろいろと偉い人たちの考え方のようなものがわかったので面白かったです。


1.偉い人たちは国家予算を使った宇宙開発が念頭にある

東京大学生産技術研究所と科学技術庁と航空宇宙技術研究所という3つの国家機関が
元になっているのが日本の宇宙開発ですので、まあ、仕方ない部分はあるのですが、どうも発想が「役に立つアプリケーションを見つけて、それを提示して予算をもらって、アプリケーションを実現しましょう」というところに行き着いてしまっているのが残念。


2.偉い人たちは国家予算を使わないビジネスとしての宇宙開発は現在のプライムメーカーしかできないと思っている

予算を減らしたいという考えも同時にあるようで、プライムメーカーがJAXA予算を使わずに自力で技術の研究開発をしてそれでビジネスして自立してくれたら、国家としての対面を保ちつつ予算を減らせるよね、という大人の事情が透けて見える残念さ。


3.偉い人たちは「宇宙開発は最先端技術を使わないとできない」と考えている

これは上記の考え方の原因になっていると思うけど、

 宇宙開発には最先端技術が必要 -> プライムメーカーしかできない
 プライムメーカーしかできない -> ビジネスとしての宇宙開発はプライムメーカーに

という感じなんですよね。
現場の泥臭い話を聞いていると、日本の宇宙開発のどこに最先端技術があるのか謎で。
どちらかというと誘導飛翔体のほうが最先端(げふんげふん)


4.偉い人たちは宇宙関係者なのに軌道の区別がついていない

超小型衛星のくだりで、「ISSからの放出とか、相乗りとかあるじゃん」的な
発言があって、秋山先生がきちんと訂正されていましたが、
いや、宇宙関係者なら軌道上サービス的にISS軌道がどれだけ使えないかは
知ってないとまずいんじゃないのか、それすら知らない人が議論していていいのか、
という残念さ。
いや、ISSは大切だとは思いますし、ISSからの超小型衛星の放出も
今後につながる技術だとは思いますが。


5.実は宇宙関係の偉い人ってあんまり技術的なことは知らない?

内閣府宇宙戦略室の方などはわりとわかっている感じでしたが、
あんまり真剣に技術的なことを調べてないパネリストがおおいなー、
という印象でした。偉い人は忙しいから仕方ないのかもしれないけど、
賢い人ならそれほど時間もかからずに理解できることって多いと思うのだけれど。


6.アプリケーションが先行していないとダメだという誤解

つまり
 ・役に立つアプリケーションがあって
 ・それを実現するために宇宙を利用する際に課題があるので
 ・宇宙開発をしよう
という流れが前提になっていて、
ニーズを探そうとしているんですよね。

僕は「イノベーションによる低価格での供給が新たな需要と市場を生み出す」論を
わりと信奉しているので、このアプリケーション先行というのは今ひとつ疑問です。

今も「キャリアは土管になってりゃいいんだ」論がありますし、
Tsudaっている際にも「ロケットも究極は運び屋だよね」という指摘をいただきましたが、
InternetやWirelessNetworkが安く供給されたことで生み出された新市場を考えれば、
むしろ、安い輸送系と安い軌道要素と安いミドルウェアがそろって提供されることが、
新しいアプリケーションと市場を生み出す大切なポイントなのではないかと思います。



というわけで、ふーん、偉い人ってちょっと僕と考え方ずれてるのね、
と思いましたが、京都大学の中野先生が、
「プライムメーカーへの依存をそろそろ考え直すべきなんではないか」
というお話を総合討論の際に会場側からしていたのは新鮮でした。



会場では、宇宙開発合同会社 AstreX 代表の小畑さんとも話ていましたが、
超小型衛星の話や独立系ベンチャーによる輸送系の話がさっぱり出てこなかったのも
かなり残念でした。

法制度や宇宙開発特区の整備など、
プライムメーカーやJAXAに依存しない宇宙開発専業の民間企業を育てる話などは、
たぶん偉い人は思いつきもしないんだろうなあ。

小畑さんが言われていた「自動車とは全然ちがいますよね」という言葉が
大変、印象的でした。

posted by kirikuzudo at 03:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記