2011年11月27日

岐阜基地航空祭にいってきたよ

かねてより各務原の岐阜基地近隣に住まうTNCT同窓生と行く約束をしていた、
岐阜基地航空祭にいってきました。




いつも日曜日の朝はロングシートで寝転がれるくらいに空いている犬山線ですが、
本日は通勤時の地下鉄なみでした。カバンを持たずに来て、この時点では正解。
三柿野の駅でもしばらくホームから改札には向かえないほど。
そして、改札を出ても、岐阜基地まで向かう歩道橋は長蛇の列。

基地の正門でTNCT同窓生のH氏と合流。
彼はこの近隣で働いており、前年も来たとのこと。

とりあえずパンフレットをもらって、F-15が轟音をひびかせるなか、
滑走路西奥の実機展示に向かいました。目標はXC-2。

思っていたよりずんぐりむっくりさんですね。
後方脚部がふくらんでいるので、上空でもかなり威圧感がありそうな気がします。
そして、エンジンのファン直径がデカい。翼も分厚い。
あと、翼と胴体構造がどうつながってるかも調べなきゃ、と思いました。




レドームはなんとなく100系の新幹線を想起させる形状ですね。
流体力学的には同じような流れになるということなんでしょうか?




格納庫のひとつがエンジンの展示にあてられており、そちらにはXC-2のエンジンが。
直径は2000ほどもあるでしょうか?
整ったファンブレードは美しいですね。
まだ調べていませんが、バイパス比もわりとありそうです。




こちらはちょうど高圧側タービン部と思われる部分の
外側に位置していた電装や配管です。
CATIA使って描いたんだろうなあ、という配管やフランジが。






こちらはF-4のエンジンの低圧側タービン段後と思わしき部分。
写真中央の頭を抱えそうな配管はアフターバーナー用の燃料マニホールドでしょうか?
段間の締結ボルトもF-2では小径化されており、エンジンも並べて展示されると、
いろいろと違いがはっきりとわかって面白いものです。




別の格納庫ではF-2の実機(?)展示がされていました。
XC-2や民間機と比べると、翼前縁の薄いこと。
しかし、運用上の都合とはいえ、F-2のカラーリングはいいですね。




まあ、とにかく人がいっぱいでした。
iPhoneでは静止しているものしかうまくとれないヘタレさんなので、
F-2、F-15、F-4、UH-60、U-125Aの飛行展示やブルーインパルスは
撮影しませんでしたが、たっぷりと楽しませてもらいました。

特に、ブルーインパルスが遠方で旋回してくるのを、
iPhoneの地図で方角を確認しながら、
「いまは江南あたりかなー」「一宮方面だよなあ」「これは犬山遊園まで行ったな」
とかやるのは楽しかったです。

AWACSからテレメトリ送って地図上に表示とかそのうちやらないかなあ(ムチャぶり)

無茶といえば、KC-767の飛行展示で、滑走路上、数百フィートをパスしながら、
40deg程度のロールを左右に2回ずつくらい振っていたのを見て、
「え、あの機動は想定荷重にいれないといけないの?」
とH氏と話していました。
(H氏は民間機の強度解析とかやってる人)



※余談
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名古屋市科学館の屋外展示解説会にいってきたよ

名古屋市科学館の屋外展示解説会にいってきたよ

先月から名古屋市科学館の屋外展示として、
Hll-Bロケットと国際宇宙ステーション実験棟「きぼう」の
供試体を転用した実物大モデル(一部、本物)が展示されています。




11月26日(土)10:30より、その展示の解説会があるということで、
名古屋市科学館に10:25ごろ到着しました。

解説は元MHIの方がボランティアとしてされていました。
専門的な言葉を使わずにややこしい部分を丁寧に解説されていました。




液体水素タンクの供試体は真っ二つにされて、内部が見えるようになっています。
屋外に設置されているので、防食のためにアノダイズしたうえで塗装されています。
t=25mmのアルミニウム合金を削り出す形でアイソグリッド構造を平面に作り、
それを120度にロールさせたものを3枚、摩擦撹拌接合しているとのことでした。
三角形の凹んでいる部分はだいたいt=5mm程度だそうです。




液体水素タンク内部のコードは静強度試験の際に用いたストレインゲージ等のための
信号線がそのまま残っているものだということです。




段間の接合は展示用のものなんでしょうか?
ここを質問するのを忘れました。
リベットのファスナは本物だと思うのですが、
このあたりも質問しておけば良かったです。




JAXAの中の人も来ておられまして、学芸員の方の急な振りや
「きぼう」実験棟の質問にも慣れた様子で答えられていました。

屋外展示は科学館に行けば無料で見ることができるので、
ちょっとした空き時間ができた際は、ふらっと訪れてみてはいかがでしょう。
ロビーにもLE-7エンジンが展示されていますし。

おっと、もちろん、名古屋市科学館は常設展示も充実していますので、
そちらも是非、御覧ください。天文館の人工衛星モデル展示は特に圧巻です。
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2011年11月23日

実際に自分が高専5年生だったときに読んでいた5冊の本

先週は「この時期の高専3年生に読んで欲しい5編(7冊)の本」を書きました

http://kirikuzudo.sblo.jp/article/49945773.html

今週は、そんなことを言っている僕が実際に高専生だったときはどんな本を読んでいたかを書きたいと思います。題して「実際に自分が高専5年生だったときに読んでいた5冊の本」。

1.『強さの秘密 〜なぜあなたは床を突き抜けて落ちないか〜』
http://www.amazon.co.jp/dp/4621046446

材料強度学の読み物です。ずいぶんと前に丸善が出版した本で、僕が入手したのも2002年頃に再版されたものです。amazon.co.jpで新品なしになってますが、本屋さんでは入手可能かも。当時、僕はどこかの図書館(豊田市参号館or愛知県図書館or鶴舞図書館)で何度も借りて読んでいたのだけれど、本屋にはなくて、再版されないかなー、と思っていたところ、タイミングよく名古屋・栄の丸善で入手できました。

工学系学部一年生向けに、材料の強度ってどういうことなのかを説明する授業をオックスフォードのどこかのカレッジの教授がするとしたらこんな感じなのかなあ、という内容です。強度と剛性の違い、脆性と延性、材料に発生する亀裂と表面エネルギーと破壊様式、といったかなり踏み込んだところまで書かれています。でも読みやすい。推薦図書にして母校の学生全員に読ませたいくらいです。たぶん高校1年生でも概ね理解できます。

ところが売れていないようで。タイトルが悪いんでしょうね。原題の『The New Science of Strong Materials 〜or Why You Don't Fall Through the Floor』のニュアンスがうまく伝わってないような気がします。とはいうものの、どういうタイトルにしたらよいかも難しいところかもしれません。材料の強度に興味のある人は早めに読んでおくといいと思います。大きめの図書館にはたぶん置いてあると思いますので。


2.『材料工学入門 〜正しい材料選択のために〜』
http://www.amazon.co.jp/dp/4753650936

こちらは真面目な教科書です。材料学といえばこの出版社。内田老鶴圃。前掲の書籍が材料強度について定性的な理解を促すとしたら、こちらは材料の諸特性を定量的に理解する基礎を理解するためのものです。値段が高いので、こちらは図書館で借りるとよいかと思います。大きな図書館にはだいたい置いてあると思います。僕も何度か図書館で借りて読んでいましたが、卒業する年に、祖母に成人祝いとして10万円ぶんの書籍を買ってもらう際にこの本も含めてもらいました。

数式もちょこちょこでてきますが、それほど難しいものは掲載されていません。各章にはケーススタディが載っており、その章で解説された理論を元にケースの解説がされています。実際に起こった例や設計された例が載っているので楽しいです。原著の出版がずいぶんと前なので、最新の事例ではない(ターボジェットエンジンのブレードが一方向凝固合金で記載されているとか)ですが、材料分野がどのような過程を経て進展してきたかというのを学ぶことができる良い本だと思います。


3.『機械創造学』
http://www.amazon.co.jp/dp/4621048686

いまや「失敗学」で有名になってしまった畑村洋太郎先生の本です。これも出版は丸善ですね。丸善はいい本を出してきます。『圧縮性流れの理論』とかもお財布に余裕ができたら買いたいですね。

実は失敗学の内容はこの本にふくまれていたりするわけですが、それ以外にもTRIZっぽい思考演算とか、棒人間ダイアグラムとか、「実際の設計」シリーズをダイジェストにしたような本になっています。定量的な解説は少なく、どちらかというと定性的なお話がほとんどなので、教科書というよりは技術読み物に近いですね。位置づけも難易度も1.とよく似ています。

これは学校の図書館に新着図書で来ていたのを、独占するような形でしばらく借りていました。当時は「アイデアというのは着想を思考演算で手続き的に処理することで得られる」というあたりに夢中になっていたものです。あんまり成績には寄与してくれませんでしたが、独創性がないことにコンプレックスを抱いているような学生さんには読んでほしいと思います。創造はメソッドに帰着できるということがよくわかります。


4.『生物と機械』
http://www.amazon.co.jp/dp/432008070X

日本機械学会の編集で、共立出版から出版されています。これも工学読み物的な本ですが、今、読んでも面白いですね。タイトルは『生物と機械』ですが、内容は「機械工学的な視点から生物の構造や動作、材料、仕組みを捉えてみるとどうなるか」というところになっています。

これも学校の図書館に新着で来ていたのを独占するような形でしばらく借りていました。植物の構造とノイマンのライフゲイムのあたりが、当時の僕はお気に入りでした。この本を読んだあと、しばらくはなんでも(組織や社会すらも)機械として読み解こうとする癖がついてしまったりしますが、そういう視点の切り替えを学べる良い本だと思います。


5.『不平等社会日本』
http://www.amazon.co.jp/dp/4121015371

材料力学の先生が授業中に紹介していて、これは読んでおくか、と思って、丸善で探して購入した本。10年前、当時、19歳。そういえば1年くらい前に某アルファブロガーさんが取り上げたりしていましたが、いまさら感がありました。

一億総中流という幻想、再生産される階層、親の学歴と子の収入の統計的相関(注:因果ではないです)、社会工学という考え方。懐かしいです。ちなみに今、手元にはありません。京都に引っ越した後に、たぶん、ブックオフ送りになりました。中公新書や岩波新書のラインナップは玉石混淆という感じですが、まあ、面白いものも多いので、あまり真剣に相手にしないように注意しながら、ぱらぱらと読むといいと思います。「ほむ、こういう考え方もあるのだね」というぐらいの余裕の態度で。


以上、こんな本を読んでいた、という話でした。

もうこの頃はライトノベルは読んでいなかったと思います。かっこつけたい時期だったからでしょうか、小説はアーヴィングとか洋物ばっかり読んでいた気がします。お金がなかったので、当時、本は図書館で借りるものでした。

本を読む時間がある頃は本を買うお金がなく、本を買うお金がある頃になると本を読む時間がなくなる。

皮肉なもんですね。
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2011年11月21日

Twitter依存症、治療な……じゃなくて、治療中

まあ「なう」とか「だん」は使ってなかったんですけどね。

タイトルどおり、ここ1週間くらい、Twitterを控えています。

以下、TwitterのロギングサービスにおけるID:kirikuzudoのログ

http://twilog.org/kirikuzudo

からの抜粋です。

Twitter歴 722日 (2009/11/29より)
ツイート数 15,906 (22.0件/日)

<Recent>
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11月18日(金) (1)
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11月14日(月) (1)
11月13日(日) (2)
11月12日(土) (159)
11月11日(金) (38)
11月10日(木) (50)

<Archives>
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2011年05月 (1467)
2011年04月 (1162)
2011年03月 (835)
2011年02月 (444)
2011年01月 (535)
2010年12月 (488)
2010年11月 (159)

ここ1年間で12,000近くのTweetをしており、その8割がここ半年に集中しています。
どう考えても増えすぎ、ペースあがりすぎです。
平均22件なのに、ここ数ヶ月は月で換算すると1日あたり50件近い状態です。

さすがにやりすぎですよね。

もう、暇さえあれば公式WebかiPhone公式アプリかiPad公式アプリをひらいて、
TLで目についた人に絡んでましたからね。
1週間、離れて冷静になってみると、いかに自分が依存して病んでいたかがわかります。

しばらく休憩する感じで時間を置いたら、復帰すると思いますが、
閲覧するのは夜だけにして、Tweetも1日10件ぐらいに抑えるような使い方ができたらな、と思っています。

※公式Webは2日に1回ぐらいチェックしているので、
メッセージや@を飛ばしてもらえば、確認できます。
posted by kirikuzudo at 00:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記

2011年11月07日

この時期の高専3年生に読んで欲しい5編(7冊)の本

本日、母校の元指導教官に会うついでに、
豊田高専の文化祭に行ってきました。

帰ろうと駐車場に向かうと、機械科の教官を見かけたので、
「10年前の卒業生です」
と声をかけたところ、きちんと覚えてくれていました。

今は自動車部の顧問ということで、なぜか突然、その場で
自動車部の展示をしていた3年次の学生の進路相談が発生。

まあ、そろそろ進路を決めはじめなければならない時期ですし、
18歳なので、いろいろと悩むことがあるのでしょう。

とりあえず、彼は「就職」か「進学」かで悩んでいるとのことでした。
あと、ものづくり(加工組立)が好きだということでした。
これは自動車部に所属しているのだから当然でしょうね。

将来、何を作りたい、どういうことをしたい、という
具体的なターゲットはまだないそうです。

その場では例として、

・航空関係をやりたいなら航空関係の学科に進まないと独学ではシンドイかもしれない
・ただし特定の専門学科に進んだとしても、それで将来の方向が決まるわけではない
・もし先端的な仕事をしたいのなら、論文を書く経験をしておいたほうがいいので、修士課程まで行った方がいいかもしれない
・また出世できる可能性があがるので、大きなプロジェクトを主導したいのなら修士課程に行った方がいいかもしれない
・ただし高専卒でもデカいプロジェクトを主導したり出世したりする人は大勢いるし、修士課程に行ったとしてもそうなれない人はこれまた、たくさんいる
・どちらにせよ四力学と数学はしっかりやっておかないとまずいよ
・高専卒で就職した場合、生産技術や製造管理などの現場管理のような仕事に配属されることが多いよ
・もちろんこれについても例外が多々あるよ、目の前の人もそうです

というようなことを言っておきました。

で、帰ってきてからスタバに行って、
瀧本哲志さんの『僕は君たちに武器を配りたい』を読んでいたときに、
「これは今日、進路相談した学生さんに読んで欲しいな」
と思ったわけです。

そして、この本とあわせて、読んで欲しいなと思い浮かんだ本が数冊あるので、
以下に紹介します。


『ネクスト・ソサエティ』(著:ピーター・F・ドラッカー)

  まずはドラッカー先生ですね。
  マネジメントについての本が有名な方ですが、
  むしろ経済哲学とでも言うべきジャンルの本こそ読むべきと思います。
  ITインフラ管理者で技術バカだった僕の視野を広げてくれた最初の本です。

  ※当ブログでの読書感想文
  http://kirikuzudo.sblo.jp/article/36821896.html


『富の未来』上下巻(著:アルビン・トフラー、ハイジ・トフラー)

  次は未来学者のアルビン・トフラーです。
  といっても、眉唾な未来予想ではなく、
  いま社会に起こっている変化の羅列というような本です。
  これまた日本しか知らない僕の視野を広げてくれた本です。
  上述した『ネクスト・ソサエティ』もそうですが、
  序文で「これは全ての説明は単純化だから、具体例やその判断は自分でしろよ」と
  わざわざ書いてくれているあたり、とても親切です。

  ※当ブログでの読書感想文
  http://kirikuzudo.sblo.jp/article/36821890.html


『イノベーションのジレンマ』『イノベーションへの解』(著:クレイトン・クリステンセン/マイケル・レイナー)

  古典です。イノベーションについての誤解を解いてくれる良書ですね。
  難しい言葉がたくさん出てきますが、上述のドラッカー先生の著書を読めたのなら、
  あとはGoogle先生とWikipedia先生に助けてもらえば大丈夫!
  この1編2冊を読んだ後、しばらく世の中のあらゆる産業がケーススタディに見える
  副作用がありますが、ハタチ前にこの副作用を体験しておくのもいいと思います。

  ※当ブログでの読書感想文はナシ


『僕は君たちに武器を配りたい』(著:瀧本哲志)

  上述の3編のエッセンスを元に、瀧本先生がわざわざ日本の現状や
  日本人がよく知っている企業のケーススタディを引用するようにして書いてくれた、
  素晴らしいショートカット本。
  賢い人はこれ1冊読むだけで上の5冊を読んだことにできるかもしれません。
  僕はそこまで賢くないというか、この本を今日、読み終える前に上の5冊を
  繰り返して読んでいたので、どちらかというと復習になりました。
  ネットでも話題ですので、今ならこの本から読み出してもいいかもしれません。

  ※当ブログでの読書感想文はナシ


『隷属への道』(著:F・A・ハイエク)

  ぶっちゃけますと、これは最後まで読み通してもらえるとは思ってないです(笑)
  ただ、優秀な技術者さんは概して計画主義の隘路に進んでしまうこともあるので、
  その予防注射的な感じで、読んでおくといいかな、と思い、ここに加えました。
  あと、4編より5編、6冊より7冊のほうが語呂がいいですしね。
  マジック・ナンバーでもありますし。
  内容は自由主義は完璧じゃないけれども、社会主義よりはマシなんだよ、
  というのを切実な筆致で慎重に論理的に書き上げられた本です。
  重要なのは、これが「スターリン->毛沢東->ポル・ポト」の前に書かれているということですね。
  人間が以下に歴史に学ばないかよくわかる本でもあります。

  ※当ブログでの読書感想文
  http://kirikuzudo.sblo.jp/article/37354516.html


以上、5編7冊の紹介でした。
posted by kirikuzudo at 00:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記

2011年11月05日

数の変化と質の変化に関する小考察

数の変化と質の変化 〜共同体の解体〜

新聞一面の最下段は書籍の広告欄になっていることが多いですよね。
私自身は新聞を読まないのですが、テーブルに置いてあるので、
見出しなんかをチラッとみることがあり、そのときに書籍のタイトルなども
目にすることがあります。

で、ある日の朝刊。

『この国は誰のものか』

というタイトルが目に入りました。
本は読んでないので、書籍の内容は知りません。著者も知らない人だし。
だから、このタイトルの文字に私は反応したと思ってください。

こ の 国 は 誰 の も の か

この文字を見たときに思ったのは、
「もう国家というのは共同体ではないのだなあ」
ということでした。

国や国家に限らず、共同体は所有格を持たないからこそ維持できるわけで、
たとえ実質は独裁制や僭主制であったとしても、誰かの持ち物ではないわけです。
だからタイトルを見たときに、ああ、共同体じゃないんだ、と思いました。

で、そこから次に頭に浮かんだのは、
「たぶん国家が共同体として成り立たなくなったのは構成員の数が多すぎるからだよね」
ということでした。

よく言われる「共同体50人限界説」です。
もしくは「顔を覚えていられる範囲がベンチャーの限界」というやつですね。
まあ、50人とか100人とか具体的な数は私にはよくわからないんですが。

しかし、共同体の構成員がある数を超えると、構成員の平均的な質はかわらないのに、
共同体が成立しなくなる、という現象については私もなんとなくわかります。

つまり、「良否は別にしてお客様感覚の人が増え始めている」、というこの点。

これも、参加人数が増えたことによる共同体の解体、だと思っています。

高専カンファレンスも、年間に開催される回数が増えて、知名度もあがり、
開催地によっては参加者も100人を超えることが多くなりました。

そうすると、顔を知らない人や話をしたことがない人、Twitterでリプをしたことすらない人が、
ひとつの場所に集まることになるわけです。
もちろん、そこから交流がはじまるので、それはそれで良いことなわけですが、
そういった場所に向かう際、人は自分に何かの役割を設定します。

もし運営の人と連携が取れるなら別ですが、

「おまいはお客様じゃなくて勉強会の参加者だろゴルァ」と言っても、
自分のロールがなかなか決められない人も多いのではないでしょうか。
100人いたって運営できるわけがない。
また、100人を指揮できる指揮系統をスポットで構築するのはなかなか難しい。

というのも「勉強会の参加者」って、僕らのマインドセットには普通、存在しないはずです。
その標準的な振る舞いとはいかなるものなのか、という常識が、ない。
ならば「イベントの参加者」ではどうか。もしくは「共同体の構成員」ではどうか。

『鋼の錬金術師』でエルリック兄弟の親父さんが賢者の石になった人たちの魂と対話するくだりがありましたが、それほどの胆力は僕らにはないわけですな。
想像力を行使して、場の全ての人たちの考えていることを想像できないし、できたとしても耐えることはできない。

ここにファシリテーターが専門化する余地があって、想像できないのなら環境をコントロールしてしまえばいいじゃないかという気もするわけです。

むしろそういったところにシステムや仕組みに明るい計画家や技術屋の活きる場所があるような気も最近はしています。
posted by kirikuzudo at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記

電脳コイルを見たよ

ちょっと前に公式サイトで全話無料配信をやってたんで、
2週間かけて全話を見ました。

26話の構成でじっくり練り上げられていて、良いシナリオ。

ちょっとテンポが遅いと感じるところもありますが、
2クールであることも考えると、しっかりと作られていて、
とても良いアニメーションだったと思います。

ジャンルとしてはジュブナイル(juvenile)に相当するのかな?

各所の演出もかなりしっかりとしています。
最終話でイサコの髪留めがほどけるところなんかは、うまいなあ、と思いましたし、
社会と個人の関係なんかもわりとみっちり書いてあったりします。

昨今の萌え記号とお約束にあふれたアニメーションとは違って、
(そういうのも嫌いじゃないけど)
テーマも設定もずいぶんとしっかりした作りの話ですし、
僕はジブリの映画なんかよりもこっちのほうを推薦したいですね。
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知識の流通について

これだけ知識の入手が簡単なように見えても、情報の非対称性は悪化しつづけるばかりで、そこから利益を絞り出している人たちは、前より多くなってきている気がする。ちょっと本で調べればわかりそうなものなのに。

たぶん、なんだけど、人に聞かないとわからないって思い込みが情報の非対称性を加速させているんだと思う。僕の思い込みはそれと逆で「だいたい本を読めばわかるんじゃね」ってやつ。それもそれでマズイんだけど。

僕がはじめてネットにつながったのはちょうど1999年で、あの頃、ネットには閉塞感なんてなくて、割とみんな「フロンティア」感を感じていたと思う。それは「全能」感にもつながっていて、僕もそれに影響を受けた。

「調べればわかる」「勉強すればわかる」「わかんないのは努力が足りないからだ」というアレ。結局、厨二病の延長だったわけだけれど。いまでも成分として割合は多い。

でも、僕も偏っているとは思うけれど、世の中の大部分の自分で知識も増やせないし、その知識がどうやって体系化されているかすら気にしない人たちを見ていると、それはそれでおかしいんじゃないか、と思うことがある。
posted by kirikuzudo at 01:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記

知識と感情と情報は等価交換が可能なのか

取引に時間をかけることのできない時代になったというのは間違いない。わずかな時間差すらマネタイズできる、という幻想それ自体が現金化されてしまっているんだよね。良いこととは思えないが、現実がそうなのだからしかたない。

そういえば情報や知識や感情の取引については、通常の金銭経済的な計算が成り立たないってことについては、あまり知られていないのではないだろうか。

情報や感情同士の取引については、計量感覚の偏差が大きいので、だいたいの場合、1:3〜1:10ぐらいの感覚で取引が成立するくらいに考えておいたほうがいいと思う。それくらい、人は感謝しないし、悪く思わない。

アフォーダンスや構造主義に一時期、興味を持っていたのと、Selfish Geneを若い時に読んだのとで、僕たちが自己決定だと思っているものは巨大なシステムの中のサブシステム内部の相互作用のあるパラメータが突出して表現されたものかと考えている。

もちろん、僕も日常生活の中では、自分の判断は自己決定だと思っているけれど、こうしてたまに抽象世界に船出すると、そういうところに行ってしまう。

ただ、そういう考え方ではあるけれども、相互作用の仕方をある程度、捉えることができれば、ある程度の軌道修正はできるとも思っている。完全な自己決定は望むべくもないけれど、初期鋭敏性の海で舵を叩くくらいのことにはなる。

僕が図書館や大型の専門書が並ぶ書店を偏愛するのは、舵を叩く回数を増やせるからだと思っている。それすらもシステムの中で起こっている相互作用の結果なのかもしれないけれど。

そして、そういった世界モデルの理解と諦め/覚悟を日常化し、身体化することこそを、悟り、と言うのかもしれない。
posted by kirikuzudo at 01:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記